なじみの浅い、クラシック音楽、オーケストラの演奏の聴き方。
よく、きちんと聴いていない観客がいるから演奏できないというオケや指揮者がいますが、それも1つの観点ではあるのでしょうが、そもそも、クラシック音楽というのは、大昔は、貴族の食事会や宮廷内でのカード遊びなど、多少にぎわう中で演奏されてきたのが実情です。今風に言えば、BGMにすぎなかった。お金を払って聴きにきてくれているお客様の為にも、最高の音楽を、という姿勢は、非常に尊重したいところですが、「この場では音楽が至上なのだ」という姿勢は、音楽家は心の中で叫ぶものであり、観客からも求められるのが理想のはずです。
「すみません、静かに願います」そう指摘してしまった時点で、なにか、敗北した気になってしまうのは、おかしいでしょうか。マナーを重視するのは、あくまでお客の側の問題であり、どんなお客でも、お金を払って聴きにきてくださっている、そのことを理解できていれば、演奏家側は、言いたくても言えないはずです。その場を今後の教訓とし、さらに良い音楽をお客様に提供できるように、身を引き締めて、演奏を磨いていく、それがあるべき本来の姿のように思えてなりません。時代が違うのだからと一蹴してしまっては、元も子もないでしょう。曲の解釈を忠実に行う指揮者ほど、当時の演奏会の有り様を念頭に置いて、演奏をすべきなのですから。
作曲家は、そんな中でも、貴族たちを自分の曲にひき込もうと努力してきたはずです。好まれなければ、お金を払ってもらえないのですから。それ以前に、指揮者や演奏家がどう言うかということよりも、周りの客側が、問題撲滅に動くのが、自然な成り行きのように思えるのですが、それがないところを見ると、結局はお客もそれなりの聴き方で満足できるレベルだったのでしょう。
もし、自分の隣にいる人が、居眠りでイビキをかいていたなら、私たち観客側が、そっと肩をたたいて起こしてあげましょう。好きで聴きにきているのなら、誰だって、周りからヒンシュクなど買いたくはないはずです。不可抗力だと理解できれば、後は気づいた周囲が、そっといさめてあげるのが、一番良いモラルの維持の仕方なのではないでしょうか。ただ、どうしようもない客というのも、いるものです。嫌がらせする人間も、いないとは言えません。現指揮者とオケのメンバーは、彼らを、自分たちの曲演奏の虜にすべき勢いで、演奏に熱中すべきです。否応にも、本当のファンが、マナーやモラルを向上させ始め、不穏分子を排除しにかかるでしょう。
聴きたい曲を、お気に入りのオケの演奏で、これからも聴きたいと願うのなら、私たち観客も、マナーやモラル、公の場での振る舞いなどを、少しずつ向上させていかなければならないのではないでしょうか。自分には関わりがないからと、知らぬ存ぜぬ顔を貫き通す姿勢は、少し不自然なのだということを意識してみること、オケの演奏には、観客も加わっているということを自覚すること、そこからオケの演奏を最大限に楽しむことにつながっていくはずです。